感震ブレーカーの種類と選び方
感震ブレーカーは、震度5強相当以上の揺れを感じたときに、ブレーカーやコンセントの電気を自動で止める器具です(内閣府)。阪神・淡路大震災では、出火の原因が分かった火災の約6割が電気火災でした(出典)。東日本大震災でも、本震の揺れによる火災で電気が火源になったものは約65%(110件のうち71件)とされています(出典)。種類は4つで、値段の目安は簡易タイプ3,000〜4,000円程度、コンセントタイプ約5,000円〜2万円、分電盤タイプは後付型約2万円・内蔵型約5万〜8万円です(出典)。
4つの種類と価格の目安
止める範囲で大きく2つに分かれます。分電盤タイプと簡易タイプは家じゅうの電気をまとめて止め、コンセントタイプはつないだ機器だけを止めます(内閣府・消防庁)。
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簡易タイプ
- 止める範囲
- 家じゅう
- 電気工事
- 要らない(自分で付ける)
- 価格の目安
- 3,000〜4,000円程度
作動すると一斉に止まるので、避難用の明かりが別に要る。付け方で作動の確かさにばらつきが出るおそれ。分電盤の形によっては付けにくい
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コンセントタイプ
- 止める範囲
- つないだ機器だけ
- 電気工事
- 差込型は要らない・埋込型は要る
- 価格の目安
- 約5,000円〜2万円
付けていないコンセントは電気が続く。コンセントまでの屋内配線や、付けていないコンセントの火災は防げない
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分電盤タイプ(後付型)
- 止める範囲
- 家じゅう
- 電気工事
- 要る
- 価格の目安
- 約2万円
今の分電盤に付ける。漏電ブレーカーがある場合に付けられる
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分電盤タイプ(内蔵型)
- 止める範囲
- 家じゅう
- 電気工事
- 要る
- 価格の目安
- 約5万〜8万円
感震の性能が高く、専門の業者が付けるので作動の確かさが高い。揺れてから止まるまで3分程度(変えられる)は明かりが使える
特徴は内閣府などの資料の「種類ごとの特徴」を短くしたものです(出典)。
選び方(内閣府のフローチャート)
内閣府のチラシ(令和8年3月)は、次の順に考える目安を示しています。どの種類を勧めるかの順番ではない、と断っています(出典)。
- 家の分電盤に、もう感震の機能が付いていないか。日本配線システム工業会の認定品のリスト(確かめ方)で確かめ、付いていれば取扱説明書のとおりに動くかを確かめます。
- 災害のときも電気を止めてはいけない機器があるか。バッテリーの無い医療用の機器などがあれば、コンセントタイプ。
- 分電盤を買い替えたり、機能を足したりできるか。持ち家の人や家を買うことを考えている人など、できるなら分電盤タイプ。できなければ簡易タイプ。
- 分電盤タイプが高い・足せないときは、簡易タイプやコンセントタイプも考えます。
- 賃貸・共同住宅。長屋・共同住宅・賃貸住宅は設置率が低い傾向があり、電気工事の要らない簡易タイプや差し込むコンセントタイプなど、付けやすいものを勧めることが考えられる、と内閣府などの検討会は書いています(出典)。
性能を確かめるマーク
- 国の「感震ブレーカー等の性能評価ガイドライン」にもとづいて、日本配線システム工業会と日本消防設備安全センターが性能を評価しています。工業会は分電盤タイプを評価して認証マークを付け、安全センターは第三者としてどの種類も評価して推奨マークを付けます(消防庁)。
- 安全センターの推奨品の一覧には、2026年10月16日の時点で、簡易タイプ12件・コンセントタイプ2件が載っていました(出典)。分電盤は工業会の認定品の確かめ方の資料があります(出典)。
- ガイドラインの性能の試験は、震度5強相当で作動し、震度4相当では作動しないことを確かめます(出典)。性能は星1つから3つで表し、止める範囲が家の屋内配線まで含むかなども区別します(出典)。
- 実際に作動するかは、建物の場所・地盤・構造・階や付けた場所で違い、発表された震度が設定より小さくても作動したり、大きくても作動しなかったりすることがある、とガイドラインは書いています(出典)。
推奨マークの付いた製品
PR日本消防設備安全センターの推奨品の一覧(2026年10月30日に確認)に載っている簡易タイプ・コンセントタイプのうち、電気工事の要らないものです。並びは種類ごと、メーカー名の順で、順位ではありません。
| 製品 | 付け方 | 仕組みと電池 | 価格 | 推奨の | 販売ページ |
|---|---|---|---|---|---|
| 生方製作所 ピオマ 感震 | 分電盤の | 電子式電池が | 10,780円公式ストアの販売価格・2026-10-30 時点 | 2027-03-31推防災第34号 | 楽天で見る |
| エコミナミ 感震 | アース付き | 振り子電池は | 公表なし | 2027-03-31推防災第52号 | Amazonで見る楽天で見る |
| エヌ・アイ・ピー スイッチ断ボールIII 型番 A001J・仕様の取得日 2026-10-30 | 分電盤の | おもり玉電池は | 5,390円メーカーの直販価格・2026-10-30 時点 | 2028-03-31推防災第31号 | 楽天で見る |
| ケー・アイ技術 ki感震 | アース付き | 電子式電池は | 公表なし | 2028-03-31推防災第42号 | |
| 多摩岡産業 感震 | アース付き | 機械式電池は | 公表なし | 2028-03-31推防災第45号 | Amazonで見る楽天で見る |
| 日本防災 | アース付き | 振り子電池は | 9,900円公式ストアの販売価格・2026-10-30 時点 | 2027-03-31推防災第59号 | 楽天で見る |
| ブルーウッド 感震 | 分電盤の | おもり玉電池は | 4,950円公式ストアの販売価格・2026-10-30 時点 | 2028-03-31推防災第53号 | |
| 山小電機製作所 感震 | 分電盤の | 電子式電池が | 公表なし | 2027-03-31推防災第47号 | |
| 大和電器 感震 | アース付き | 電子式電池は | オープン価格 | 2028-03-31推防災第61号 | Amazonで見る楽天で見る |
| リンテック21 感震 | アース付き | 機械式電池は | 13,200円公式ストアの販売価格・2026-10-30 時点 | 2029-03-31推防災第63号 | 楽天で見る |
| リンテック21 感震 | 分電盤の | ばね | 4,378円公式ストアの販売価格・2026-10-30 時点 | 2028-03-31推防災第29号 | Amazonで見る楽天で見る |
| 日本防災 | 壁の | 振り子電池は | 10,890円公式ストアの販売価格・2026-10-30 時点 | 2028-03-31推防災第54号 | Amazonで見る楽天で見る |
| リンテック21 感震 | 壁の | ばね | 8,800円公式ストアの販売価格・2026-10-30 時点 | 2028-03-31推防災第57号 | 楽天で見る |
付け方・仕組み・電池は、日本消防設備安全センターの推奨の資料(有効期限のリンク先)とメーカーの製品ページ(製品名のリンク先)で確かめたものです。価格は変わります。買う前に販売ページで確かめてください。
付けるときに一緒に備えること
- 夜の明かり。感震ブレーカーの有無にかかわらず、停電したときに点く足元灯や、寝室の懐中電灯、枕元の携帯電話を勧めています。簡易タイプはすぐに家じゅうが止まり、夜は廊下や階段の明かりも使えないので、ガラスの破片でけがをしないようスリッパなども用意します(出典)。懐中電灯と足元灯を兼ねて自動で点くもの、階段には蓄光テープが効果的、と内閣府のパンフレットにあります(出典)。
- 医療機器。分電盤タイプは待機の時間のあと家じゅうが止まるので、電気を止められない機器の回線は残せません。在宅で医療機器を使う家では、止めてよい電熱器具などのコンセントにコンセントタイプを使うことも考えられる、としています(出典)。医療機器にはバッテリーなどを備えます(内閣府)。電源の考え方は要配慮者の備えに。
- 蓄電池・太陽光発電のある家。蓄電池のうち特定負荷型は、感震ブレーカーが作動しても決まった回路に電気が流れます。太陽光発電は感震ブレーカーと関係なく、停電のときに決まったコンセントに電気が流れます(消防庁)。内閣府は、蓄電池からの電気も止めることが望ましい場合がある、としています(出典)。
- 簡易タイプの付け方。分電盤に付ける場所があるか、蓋が閉まるか、ブレーカーを落とす力が足りるかを確かめ、確実に動くことを確かめてから付けます。粘着テープで付けたものは、固定の具合を確かめ、必要ならテープを替えます(出典)。
- 点検。定期的に作動を確かめ、必要に応じて部品を替えます(内閣府・ガイドライン)。何か月ごとという目安は、当サイトが探した公的な資料には見つかりませんでした。製品の取扱説明書に従ってください。
作動したあと、電気を戻すとき
- 避難先から帰って明かりが点かないときは、感震ブレーカーが作動していることがあります。ガスのにおいがしたら、換気とガス会社への連絡が先です(内閣府)。
- 戻す前に家の中を見ます。ヒーターや白熱灯の周りに燃えやすい物が無いか、すぐ使わないアイロン・ドライヤーなどのコンセントを抜く、電気製品やコンセントに水がかかっていないか。戻したあともしばらく様子を見ます(内閣府)。
- 電気製品・配線・家の傾きもできるだけ確かめ、万一に備えて消火器などを手元に置いてから戻すことが望ましい、とガイドラインは書いています(出典)。避難するときにブレーカーを落とす話は停電・断水が起きたらに。
補助と、国の目標
- 令和6年度に感震ブレーカーの設置や購入を支援していた市区町村は200(11.5%)でした(出典)。当サイトが公式ページを調べた11都府県では、515市区町村のうち113で、受付が終わっていない制度が見つかっています。対象になる種類(簡易タイプだけ、分電盤タイプだけなど)は市区町村で違います。
- 首都直下地震の対策の計画(令和8年6月に変更)は、都県の区域の設置率を令和6年の20%から、令和17年に「おおむね設置」にする目標を置き、木造住宅の密集した市街地などを重点にしています。設置率が100%になれば焼失する棟数が約7割減るという試算も挙げています(出典)。首都圏の戸建ての調査(令和6年)では、1つでも付けている家は危険な密集地域で30.5%、それ以外で20.3%でした(出典)。
- 著しく危険な密集市街地が残る15市区(令和5年度末)について、市区がそこに住む人の購入・取り付けを支援する場合に、その費用を国(消防庁の令和7年度の補正予算)が支援する仕組みがあります(出典)。
数字は感震ブレーカーの制度のある市区町村の数(当サイトの確認日の時点で受付中か、受付の状況がページに無いもの)。