大雨で下水が逆流するとき
豪雨で下水道管が満水になると、下水が逆流して、トイレ・風呂場・洗濯機の排水口から水が吹き出ることがあります(北九州市)。家でできることは2つで、雨のあいだはお風呂のお湯を抜かず洗濯機を回さないこと(西宮市)と、ごみ袋を二重にして水を半分ほど入れた水のうで便器や排水口をふさぐこと(北九州市)です。市や県の下水道・防災の部局の案内から並べます。
ここに挙げるのは、浸水が浅いうちに家でできることです。千葉県は、水のうなどは小規模な水害の初期の段階で行うもので、身の危険を感じる前に早めに避難するよう書いています(出典)。避難の情報は住んでいる市区町村の発表で確かめてください。
なぜ排水口からあふれるのか
- 大雨のときは下水管に雨水が大量に流れ込んで水位が上がります。そこへ家から大量の水を流すと、下水管が満水になって流れにくくなり、家の中に下水が逆流するおそれがある、と広島市は説明しています(出典)。
- 起きやすい家。東京都下水道局は、道路面より低い場所にトイレや風呂場があると下水が逆流する場合があるとして、半地下の家を挙げています(出典)。福岡市は、雨水と汚水を同じ管で流す「合流式」の区域と、周りの地面より低い土地を挙げています(出典)。
- ゴボゴボという音。雨が激しくなると、トイレなどから「ゴボゴボ」と音がしたり、水があふれたりすることがあります(福岡市)。岡山市は、下水管に雨水が入り込んで管の中の空気が押し出されて鳴ることがある、と説明しています(出典)。名古屋市は、雨どいから家の中の排水管に急に水が流れ込むことを、トイレなどから汚水が噴き出す原因に挙げています(出典)。音がしたときにできることは、次の2つの節です。
雨のあいだは、水を流さない
西宮市は、台風・大雨のときは「お風呂のお湯を抜かない」「洗濯機を回さない」「洗い物は節水」とし、雨がやんでしばらくしてから流すよう呼びかけています(出典)。広島市・大阪市も、お風呂の水を捨てない、洗濯を控えるなど、下水道に水を流さないよう協力を求めています(広島市・大阪市)。
水のうで排水口と便器をふさぐ
水のうは、ごみ袋などに水を入れたものです。排水口に置くと、下水があふれるのを抑える効果がある、と福岡市は書いています(出典)。岡山市は、便器の中やお風呂・洗濯場の排水口に被せて塞ぐと、水のうの重みで逆流を防止できるとしています(出典)。
資料ごとの作り方
袋の大きさと水の量は、資料によって違います。当サイトでは1つに決めず、資料ごとの書き方を短くして並べます。
| 資料 | 袋 | 水の量 | 置き方 |
|---|---|---|---|
| 北九州市 | 45L程度の袋を二重・三重 | 半分(20L程度) | 便器の中に入れる |
| 千葉県 | 40L程度のごみ袋を二重(足りなければ枚数を増やす) | 半分程度(約20kg)。運べなければ10〜15L | お風呂場・洗濯機の排水溝、トイレの便器に沈める |
| 大阪市 | ごみ袋を二重・三重 | 半分程度。きつく縛る | 段ボール箱に入れて敷き詰める(出入口の浸水を防ぐ簡易な対策で、完全には防げない) |
| 岡山市 | 大きめのビニール袋を2重 | 指定なし | 便器の中、お風呂・洗濯場の排水口に被せる |
| 倉敷市 | レジ袋やごみ袋を2重 | 袋の大きさで調整 | トイレに置く |
大和市の動画は、ビニール袋2枚で水のうを作り、キッチンやトイレの排水口に置くところと、使ったあとの片付けまでを見せています。
玄関などの出入口に並べる
- 水のうは、玄関などの前に隙間なく並べると浸水を軽減できます(北九州市)。段ボール箱に入れて並べると、水のうだけより強度が増し、防水シートやビニールシートで包むと長時間の浸水にも耐えられる止水壁になる、と千葉県は書いています。地面が平らでないところでは、段ボールの底との隙間から水が入ります(出典)。
- 土の入ったプランターや水を入れたポリタンクを並べ、レジャーシートで巻き込む方法もあります(千葉県・川崎市)。
- 内閣府の専門調査会の資料は、想定される浸水の深さが20cm程度以内なら、家庭で身近にあるものを使った簡易な方法で浸水の被害を軽減できる、としています(出典)。家の位置で想定される深さは住所で調べるで見られます。
半地下・地下の部屋からは早めに出る
- 東京都下水道局は、水の圧力で半地下・地下のドアは開きにくくなり危険だとして、浸水のおそれがあるときは半地下の部屋などに入らないよう呼びかけています(出典)。
- 国土交通省は、地下街・ビルの地下・地下駐車場などは地上の天気が分かりにくく、短い時間の集中豪雨でも浸水する可能性があるとして、早めに地上へ避難するよう書いています。人がドアを開けられなくなる水深を、外開きで26cm、内開きで47cmとしています(出典)。
- レベル5大雨特別警報のときは、地下施設やアンダーパス、低地は短時間で浸水する危険がある、と国の5つの機関が連名で注意しています(出典)。
水が来てしまったら
- 浸水が50cm(膝の上)を超える場所を歩いて避難するのは危険で、流れが速ければ20cm程度でも歩けません。用水路などに落ちるおそれがある場所では10cm程度でも危険です。その場合は自宅や隣の建物の2階などへ避難する、と内閣府の専門調査会の資料にあります。マンホールの蓋が浮き上がって落ちる危険も挙げています(出典)。
- 川崎市は、無理に外へ出ず、家の中のなるべく高い場所へ移る「垂直避難」を挙げています(出典)。家にとどまってよい条件は在宅避難に。
- 停電中に家を離れるときはブレーカーを落とします(消防庁)。水に浸かった電気製品は、メーカーや販売店の点検を受けてから使います(NITE)。ガス器具も、ガスの事業者の点検を受けてから使います(新潟県)。くわしくは浸水したあとの片付けと消毒に。