家具の転倒・落下・移動を防ぐ

東京消防庁は、近年の地震でけがをした人の約30〜50%が、家具類の転倒・落下・移動によるものだったとしています(出典)。留め方は、L型金具などネジで留める器具が最も効果が高く、穴を開けられない賃貸住宅などでは、ストッパー式(または粘着マット式)とポール式を組み合わせると、L型金具と同等の効果が期待できるとしています(出典)。家具が倒れると、けがのほか、ストーブなどに当たって火が出ること、出入口をふさいで逃げられなくなることもある、と同じ資料にあります。

地震ごとの、家具類の転倒・落下・移動が原因のけが人の割合
熊本地震(高層マンション) 40.0%
熊本地震(一般住宅) 29.2%
岩手・宮城内陸地震 44.6%
新潟県中越沖地震 40.7%
能登半島地震(2007年) 29.4%
福岡県西方沖地震 36.0%
新潟県中越地震 41.2%
十勝沖地震 36.3%
宮城県北部地震 49.4%

東京消防庁「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」1ページの図の値と並び順のまま。目盛りは25%ごと(出典)。

高い階ほど、家具が動く

東日本大震災のあとに東京消防庁が都内で行ったアンケートでは、階が高いほど家具類が転倒・落下・移動した割合が高くなりました。免震機能の無いマンションで、対策をしていない家具類を調べたものです。東京消防庁は、長周期地震動が一因と考えられるとしています(出典)。高い階の揺れとエレベーター・水・トイレのことはマンションの備えに。

都内の階層別の、家具類が転倒・落下・移動した割合(平成23年東京消防庁調べ)
1又は2階N=214 16.8%
3〜5階N=202 23.8%
6〜10階N=204 31.9%
11階以上N=36 47.2%

「移動」は、家具類が倒れずにおおむね60cm動いた場合です。目盛りは25%ごと。

免震機能のあるマンションでも、熊本地震の室内被害調査では、転倒・落下・移動の発生率は免震機能の無いマンションの半分程度だったものの、約3割の世帯で起きていました(出典)。

家具や家電の転倒・落下・移動を防ぐ器具の付け方と置き方を示す動画(原題「今すぐできる!家庭防災-家具等の転倒防止対策(高解像度)」・総務省消防庁の公式チャンネル「消防庁動画チャンネル」・2018-01-09公開)。

置き方を変える

出典:首相官邸「災害が起きる前にできること」「家具の置き方、工夫していますか?」(取得日 2026-10-01)の内容を短くしたもの。

どの家具から、どう留めるか

東京消防庁は、対策をしなければならない家具の高さや重さの基準は無いとしています。家具の形や中身、地震によって、どれが倒れるかは一概に言えないためです。すべての家具に対策するのが最も安全で、難しければ、寝室に家具を置かない・倒れる向きを考えて置くなどの工夫をしたうえで、重いもの・高いものから順に対策するよう勧めています。

器具の組み合わせ方は冒頭のとおりです(ネジで留める器具が最も効果が高く、穴を開けられないときは穴を開けない器具を2つ以上組み合わせる)。器具の値段は、安いもので数百円から、高いもので数千円程度です(出典)。

東京消防庁は、東京都内の区市町村の中に、高齢者や障害者のいる世帯などへ器具の配布や取付けを無料か少額で手伝う事業があるとしています(出典)。対象と内容は区市町村ごとに違います。当サイトが公式ページを調べた11都府県では、515市区町村のうち138で、受付が終わっていない家具の転倒防止の制度が見つかっています(一覧)。対象(高齢者の世帯だけなど)は市区町村で違うので、住んでいる市区町村に確かめてください。

背の高い家具をL型金具で壁に、本棚をポール式とストッパー式の組み合わせで留めた例
左はL型金具で壁に留めたたんす、右は天井とのあいだのポール式と前の下のストッパー式を組み合わせた本棚。当サイトで作った説明図で、写真ではありません。

ほかの備え