引越し先の災害リスクを調べる
住まいの災害リスクは、市区町村の単位ではなく、住所の位置で変わります。ここでは、候補の住所について国や市町村が公表している想定を調べる順番を、公的機関の説明のまま並べます。当サイトは、住所ごとに安全・危険の判定はしません。
1. 市区町村の数字で候補を絞る
地震の確率・震度5弱以上を観測した回数・水害の被害を、2つの市区町村を並べて比べるか、ランキングの都道府県ごとの表で見られます。ただし、これは市区町村全体(地震の確率は役所・役場の位置)の数字です。同じ市区町村の中でも想定は場所で違うので、候補が決まったら次の2から住所で確かめます。
2. 住所で、浸水・土砂災害・津波の想定を見る
国土交通省と国土地理院の「重ねるハザードマップ」は、洪水・土砂災害・高潮・津波のリスク情報などを地図に重ねて表示し、「住所を入力することで、その地点の災害リスクを調べることができます」としています(出典)。
- 当サイトの「住所で調べる」重ねるハザードマップの7つの地図で、その地点の色を一度に読み取る。近い避難場所と市区町村の数字も開く
- 重ねるハザードマップ(外部サイト)住所を入れて、洪水・土砂災害・高潮・津波を重ねて見る開く
- わがまちハザードマップ(外部サイト)市町村が作ったハザードマップ(洪水・内水・ため池・高潮・津波・土砂災害・火山)を探す開く
同じサイトのよくある質問は、読み方について次のように説明しています(出典)。
- 色が付いていない場所は「安全」という意味ではありません。「災害による被害の危険性が想定されている場所ではない、もしくは現時点で災害リスクに関するデータが未整備の場所」で、今後データが追加されて状況が変わる可能性がある、としています。
- 最新で詳しいのは市町村のハザードマップです。重ねるハザードマップは「市区町村が提供するハザードマップとともに」使う道具で、最新かつ詳細な情報は各市町村のハザードマップで確かめるよう案内しています。
- 土砂災害警戒区域の外でも、土砂災害は起こりえます。「付近に「がけ地」や「小さな沢」などがあれば注意してください」とあります。
土砂災害警戒区域は都道府県が指定し、市町村がハザードマップで知らせています(出典)。浸水の色ごとの深さが家のどこまでにあたるか、黄色と赤の区域の違いはハザードマップの色の意味に。
操作の流れは、国土地理院の動画「01 身の回りの災害危険性の確認」(国土地理院動画チャンネル・YouTube・55秒)でも見られます。画面は撮影した当時のものです。
3. 土地の成り立ちを見る
国土地理院は、地形分類図で「身の回りの土地の成り立ちとその土地が本来持っている自然災害リスク(地震による液状化や豪雨等による浸水など)が確認できます」としています。見方は、地理院地図の左上の「地図」から「土地の成り立ち・土地利用」を選び、色の付いた地図が出るまで拡大して、その場所をクリックします(出典)。
たとえば「旧河道」(川が流れていた跡)について、国土地理院の解説は「河川の氾濫によって周囲よりも長期間浸水し、水はけが悪い。地盤が軟弱で、地震の際の揺れが大きくなりやすい」としています。同じ地図には、過去の災害を伝える自然災害伝承碑も重ねられ、国土地理院は「災害は同じところで繰り返し発生する可能性が高い」と説明しています(出典)。
地形分類と自然災害伝承碑を重ねる操作は、国土地理院の動画「【地理院地図】地形分類図と自然災害伝承碑から災害リスクを考えてみましょう」(国土地理院・地理院地図チャンネル・YouTube・2分10秒)でも見られます。画面は撮影した当時のものです。
谷や斜面を埋めた大きな盛土の場所(大規模盛土造成地)も、重ねるハザードマップで見られます。国土交通省は、マップの箇所が「全て地震時に危険というわけではありません」とし、逆に全ての盛土が拾えているわけでもない、としています(出典)。
4. 地震の揺れの確率を読む
地震調査研究推進本部によると、地図の確率は「その場所で地震が発生する確率」ではなく、「日本周辺で発生した地震によってその場所が震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」です。 30年間で3%なら約1,000年に1回程度、26%なら約100年に1回程度、震度6弱以上の揺れに見舞われることを示す、としています(出典)。
同じ資料の見出しは「「確率が低いから安全」とは限りません」です。阪神・淡路大震災(1995年兵庫県南部地震)や2016年の熊本地震の強い揺れは、直近に大地震が起きていなかった場所で起きた、としています。防災科学技術研究所(J-SHIS)も、「今後30年以内に数%」は日常生活で無視できるほど小さな値ではないこと、同じ都市の中でも地点で値が変わることを説明しています(出典)。
5. 不動産会社の説明で確かめる
家を買う・借りるときの重要事項説明では、市町村の水害(洪水・雨水出水・高潮)ハザードマップを示して、物件のおおよその位置を説明することが義務になっています(2020年8月28日施行)。国土交通省は、避難所の位置もあわせて示すのが望ましいこと、浸水想定区域に入っていないことで「水害リスクがないと相手方が誤認することのないよう配慮すること」も挙げています(出典)。説明に使うのは市町村のハザードマップで、重ねるハザードマップではありません(出典)。
水害のハザードマップのほかにも、宅地建物取引業法施行規則は、次のことを重要事項説明で説明するよう決めています。買うときも借りるときも同じです(出典)。説明の前に、どれにあたるかを聞いておくと確かめやすくなります。
- 造成宅地防災区域・土砂災害警戒区域・津波災害警戒区域の中にあるときは、その旨
- 建物の石綿(アスベスト)の使用の有無を調べた結果が記録されているときは、その内容
- 昭和56年6月1日より前に工事を始めた建物が耐震診断を受けているときは、その内容(建てた時期の確かめ方は自宅の耐震を確かめるに)
6. 保険の補償を確かめる
財務省によると、火災保険では、地震が原因の火災による損害や、地震で燃え広がった損害は補償されません。地震保険は火災保険とセットで入るもので、火災保険への加入が前提です(出典)。引越しで火災保険を新しく選ぶときは、地震保険を付けるかと、補償の範囲を確かめておきます。被害を受けたあとの請求の流れは被災したあとの手続きに。古い家を買う・借りるときに建てた時期の何を見るかは自宅の耐震を確かめるに。