避難所での生活と健康

避難所に着いてからの過ごし方です。東京都は、災害のあとの避難生活による体調の悪化などが原因で亡くなることを「災害関連死」とし、過去の災害では避難所だけでなく在宅避難のときにも多くの人が亡くなっている、としています(出典)。ここでは、避難生活で体調を崩さないために国や都が挙げている上の5つを、順に詳しく書きます。持っていくものは非常用持ち出し袋(首相官邸のチェックリスト)に。

トイレを我慢せず、水分を控えない

内閣府のガイドラインは、トイレが不衛生だったり使いにくかったりして排泄を我慢すると、水分や食べ物をとるのを控えることにつながり、栄養状態の悪化・脱水症状・エコノミークラス症候群などの健康被害のおそれがある、としています。新潟県中越地震では、トイレが不安で水を飲むことを控えた人がいました(出典)。

トイレが不安で水を飲むことを控えた人(新潟県中越地震)
小千谷市33.3%川口町13.8%
内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」p.4 の値のまま。

厚生労働省も、トイレが整備されないことなどで水分をとる量が減りがちになるとして、こまめに水分をとるよう呼びかけています。特に高齢者は脱水に気付きにくい、としています(出典)。内閣府のガイドラインは、携帯トイレは自宅などでも使えるとし、各家庭での備蓄を促すよう市町村に求めています(出典)。家族の分の回数と使い方は携帯トイレに。

エコノミークラス症候群を防ぐ

厚生労働省は、食事や水分を十分にとらないまま、狭い座席などに長い時間座って足を動かさないでいると、血のかたまり(血栓)が肺に詰まるおそれがあるとして、次の6つを挙げています(出典)。

  1. ときどき、軽い体操やストレッチ運動を行う
  2. 十分にこまめに水分を取る
  3. アルコールを控える。できれば禁煙する
  4. ゆったりとした服装をし、ベルトをきつく締めない
  5. かかとの上げ下ろし運動をしたりふくらはぎを軽くもんだりする
  6. 眠るときは足をあげる

首相官邸は、片側の足のむくみや痛み、胸の苦しさ、呼吸困難などがあるときは、救急車を呼ぶなど緊急の対応をするよう呼びかけています。エコノミークラス症候群の可能性があるためです(令和6年能登半島地震の被災者向け。出典)。

車の中で過ごすとき

避難で車中泊をするときの、エコノミークラス症候群の予防のしかたを説明する動画(北海道の公式チャンネル「北海道公式」・2022-02-17公開)。

感染症を広げない

厚生労働省は、避難所では衛生状態を保つことが大切だとして、次のことを呼びかけています(出典)。

手指消毒剤・ウェットティッシュ・マスクは、首相官邸のチェックリストの「感染症対策」の区分にも入っています(出典・非常用持ち出し袋)。

口の中を清潔にする

厚生労働省によると、避難生活では水の不足などで歯や口、入れ歯の清掃がおろそかになりやすく、特に高齢者は誤嚥性肺炎などを起こしやすくなります。歯みがきができないときでも、少量の水でできるうがい(ぷくぷくうがい)をする、支援物資の菓子パンやお菓子は食べる時間を決めるなどして何度も食べないようにする、としています(出典)。同省の健康管理のガイドラインは、歯ブラシ・歯みがき粉・歯間ブラシ・糸ようじ・義歯洗浄剤を口腔衛生の用品として挙げています(平成23年。出典)。

暑さと寒さ

市町村が整えることになっているもの

内閣府の指針は、市町村に対して、段ボールベッドなどの簡易ベッド・間仕切り・冷暖房機器の整備などを求めています。床に長く横になっているとエコノミークラス症候群や埃を吸い込むことによる健康被害が心配されるため、ベッドの設置が望ましい、ともしています。居住スペースは1人あたり最低3.5㎡、トイレは初期は50人に1基、その後は20人に1基が目安です(出典)。実際にどこまで整っているかは避難所ごとに違うので、住んでいる市区町村の案内を確かめてください。

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